授業の魅力

数学科 秦 洋輔 先生
数学科 秦 洋輔 先生

教え合う”楽しさ~主体的・対話的で深い学びの実現~

数学科 秦 洋輔 先生

 「苦手な教科は何ですか?」という問いに対し、多くの人は数学を選ぶでしょう。ポジティブに考えれば、得意をより得意にするよりも、苦手を克服し得意にできたときの方がより大きな喜びになります。この喜びを多くの生徒に味わってもらい、この成功体験をもって多くの生徒が社会で前向きに活躍してもらいたい。そんなことを想いながら数学の授業を行っています。

 さて、苦手な勉強を主体的に頑張ろうと思っても難しいと思います。そこで私は、主に「教え合い」の時間を多く取り入れ、生徒たちが主体的に学ぶ環境を作っています。数学が苦手な生徒の特長の1つに、わからないものをわからないままにしてしまうことが挙げられますが、苦手な生徒が直接先生に聞きに行くことは難しいですし、特に授業中に質問するのはもっと難しいことです。しかし、友達にだったら聞き易いのではないか。そして、わからないと思った瞬間に質問できるとより効果的で、「教え合い」の時間を設けることでこれが可能となります。苦手な勉強の克服は、まずわからないと思ったときに「わからない」の一言を誰かに伝えることがはじめの一歩です。この取り組みを通して得た小さな“わかった“を積み重ねていくことで、苦手でも少しずつ主体性が出てくるのだと思います。さらに、できるようになった部分を誰かに教えることができれば、この時の喜びは計り知れません。一方、教える側の生徒も、友達から「わかった」という言葉を聞くと自分の自信に繋がりますし、勉強を教えてあげる過程で自分が理解したつもりになっていたことに気づき、より深い学びに繋がっていきます。このように、生徒同士が勉強を教え合える環境を作ってあげることで、数学に対しても、苦手な事に対しても少しでも前向きな気持ちになることができるのではと思っています。

 上記のような取り組みにより、数学の問題を解くための会話が生まれます。会話の中で、どのように教えたらわかってもらえるのか、「わからない」をどのように伝えたら教えてくれるのか考えます。また、クラス全員が出来るようになることを全体で共有できれば、協力し合う気持ちや相手を思いやる気持ちが生まれます。困っている友達はいないか、何に困っているのかなど、あらゆる事に気づける力を身につけることにも期待できます。このように、私は、知識の習得だけではなく、いわゆる「社会人基礎力」を数学の授業を通して養うことが可能であるところに“教え合い”の魅力を感じています。


社会科 二川  毅先生
社会科 二川  毅 先生

こんな時代だから今こそ歴史を学ぼう

社会科 二川  毅 先生

 私の祖父は、太平洋戦争中に、召集令状(いわゆる「赤紙」)を国から受け取り、戦場に行く予定でした。しかし、祖父は出兵直前に虫垂炎(盲腸)を患い、出兵は中止となりました。今とは違い医療環境も満足ではないなか、何とか一命を取り留め普通の生活ができるようになった数年後に私の父が生まれ、そして終戦を迎えたという話を小学校の頃に何度も聞かされました。思えばこのエピソードこそが、私が教師として生徒達に「本気で歴史を知ってもらおう・教えていこう」と志した原点の話なのかもしれません。もし、祖父が病気になっていなかったら、祖父は戦死したかもしれません。そうなれば当然私の父も私もこの世には存在しません。「命」の尊さを知り、「命」の奇跡的なリレーを学ぶことで、生徒一人ひとりが平和な世の中を創造していく一員という自覚を育てていくことにもつながっていきます。まさに歴史教育の醍醐味なのかもしれません。とあるテレビドラマで、「今の自分が存在するために必要なご先祖様を10代遡って数えたら2,048人必要なんです。」という話を聞いたことがあります。決して誰1人も欠けることができない命のリレーなんです。そのリレーを、戦争という人類の負の歴史は幾度となく途切れさせてきたんです。こういった観点を大切にしながら、日本史や世界史の近現代史に数多出てくる戦争を単なる歴史的な出来事として覚えて終わらせるのではなく、時代背景や争いが起こる原因、ひいては戦争そのものを回避することができなかったのかまで、生徒たちと一緒になって考えたり議論できるような授業を展開していけたらと日々研鑽中です。さらに、本校の充実したICT教育機器も理解を深めていく大きな武器となっています。視聴覚教材をふんだんに活用することで「自ら学びを深めていく」ことが可能です。皆さんもご存じの通り、今も世界のどこかで「都合の良い大義名分」を振りかざし、戦争を正当化し攻撃している国があります。ひとり一人の力は弱いかもしれないけど、戦争の悲惨さを学び正しい歴史観を身につけていく人が力をあわせることができれば未来は変わる…。そんなことを願いながら私は本気で歴史を生徒達に教え続けます!


理科科 芦澤  満先生
理科科 芦澤  満 先生

探究プログラム「おびひろ動物園実習」から学ぶこと

理科科 芦澤  満 先生

<高校 総合的探究 生物基礎 国語表現 カリキュラムマネージメント 生物の特徴 動物園 動物>探究型授業の醍醐味は生徒だけではなく、教師自身も深い学びがあり、新しい知見の共有から感動が生まれることがある。2021年度より、理科科と国語科で科目横断的に動物園実習を取り入れている。実際に、おびひろ動物園に行き、動物舎の前で生徒らがデモンストレーションをする授業である(2022年度は新型コロナの影響で未実施である)。そのために、事前授業として、2年生の生物基礎の授業においてはおびひろ動物園にいる動物について班ごとに調べて、紙でプレゼンできる資料(紙芝居)を作成する。加えて、国語表現の時間においては、実際にプレゼンの仕方、評価などを学ぶというものである。ここで大切なプロセスがある。それは対話である。例えばアザラシを調べていたグループとはこのような対話があった。

生徒:「すごい、アザラシって水深1700メートルまで潜れるんだ」
先生:「え?そしたら、そんな深いところなら何も見えないよね?どうやって周りを把握したり、餌を探したりしているんだろう?」
その後生徒らは、アザラシがクリック音を発して周囲を把握できることがわかり、エコロケーション(動物が音や超音波を発して、その反響により周囲の様子を認知すること)について深く学ぶきっかけとなった。この後、アザラシの耳や首の構造に特徴があること、やがてアザラシはネコ目イヌ亜目であることを見つけ、一見似たような水生哺乳類であるイルカはクジラ偶蹄目(カバやシカの仲間)であり、アザラシとイルカでは大きな隔たりがあり、進化の歴史にまで触れることとなった。生徒の学びを理解していただくために実際に生徒のアンケートの一部を紹介したい。

  • 自分達で調べた動物はもちろん、他の動物についても少し詳しくなれて、更に知りたいという欲が出てきたと思う。
  • フクロウのことを改めてよく知れた学習でした。自分では知っているつもりでもよく調べると違ったりしていたので正確な情報を知れて良かったです。
  • 名前は知っていても詳しく知らない動物を他のグループで聞いて色んな事を学べたなと思いました。
  • 人前で発表することによって他の人の意見が直接聞けるのでどう改善したらいいかなどが勉強になった。
  • 野外でプレゼンテーションするのが初めてだったからとても貴重な体験になった。聞いてくれる人も拍手してくれたりとても嬉しかった。
  • 色々なチームのさまざまな動物のプレゼンをみて、それぞれの動物は個性を生かしながら生きており、動物も人間と少し似たところがあるということに気づきとても充実した実習になりました。
  • まとめたり、発表することで、ただ調べて読むよりもその動物について深く学ぶことができたし、さらに何故こういう体の仕組みなのだろう?など他の部分にも興味が湧いて、とてもいい経験になったと思う。

理科科 春木 雄一郎先生
理科科 春木 雄一郎 先生

理科の授業で実践力を身につけよう。

理科科 春木 雄一郎 先生

 「生徒のためになる授業とは何か」という問いについて、以前の私は「とにかく分かりやすい授業をすること」が答えだと考えていました。しかし、分かりやすい授業を追求することが生徒のためになるのかということを考えたときに、生徒の主体性を伸ばすことに繋がらないと結論づけ、授業スタイルを再考しました。私は「答え」をすぐに提示するのではなく、生徒が自ら答えを導きたくなるような授業をすることを心がけています。「なぜその公式が生まれたのか」「この公式を使うと世の中におけるどのような事象が説明できるのか」ということに重きをおいて指導することによって、生徒の自然科学における知的好奇心を高め、それを自ら探究するようになることができると考えています。自然科学における様々な疑問について、幼少の頃から考えることはあっても、それを解決するために自ら調べたり、研究したりする生徒は少ないと思います。不透明な現代において、生徒が社会に出て正解のない問いにぶつかった時に、すぐに諦めてしまうのではなく、その状況についてしっかりと分析し、解決策を見出すことができる社会人になるために必要な能力は、理科の授業で高めていくことができると考えています。

 大学入試改革により、大学受験においても、近年そのような力が問われていることを肌で感じています。公式の暗記一辺倒で通用する問題は少なく、散りばめられたヒントから答えを導く思考力を問う問題が増加しています。受験問題を解いている生徒には、解法をすぐに教えるのではなく、着眼点のヒントや考え方のベースを指導し、できるだけ生徒自身の力で答えを導けるよう心掛けています。普段の授業についても、少し難易度が高い問題を解く際には4~5人のグループワークの機会を設け、生徒主体の深い学びが実現できるようを意識しています。ひとりの力で解くのが難しい問題でも、それぞれアイディアを出し合い、対話していくことで解決の糸口が見つかることがあります。議論が進まないグループについては、私がファシリテーターとして生徒が抱えている問題を把握し、リフレーミングできるような問いかけを意識しています。

 生徒に求められる資質、能力は時代によって変化していくものですが、生徒のために何ができるのかを常に第一義に考え、より良い授業を作っていけるよう今後も精進していきたいと考えています。


芸術科音楽 山本 睦人先生
芸術科音楽 山本 睦人 先生

「感じたことを言葉で伝える」大切さ

芸術科音楽 山本 睦人 先生

 芸術は「自分の内面」を表現するものです。書や絵画や工芸作品を観た時に、人は何かしらの感情が沸き上がります。ですが、同じ作品から受け取る感情が「美しい」もあれば「恐ろしい」もあるところが、芸術の最大の魅力だと私は思います。私は音楽を始めて今年で39年になりました。幼い頃はただ何となくやっていただけでしたが、中学・高校の頃からとても面白いものだと感じるようになりました。たまたま音楽系の部活動をやっていたこともあるかもしれませんが、自分の中のアイデンティティが少しずつ確立されていく時期に、音楽(芸術)がたくさんのメッセージを与えてくれた事が大きな要因だったのかもしれません。

 小さい頃からピアノを習っていましたが、クラシック作品だけでなくJ-POPやいろいろなジャンルの音楽に触れました。私はひとつのジャンルだけをやり続けることが苦手な子どもだったので、当時師事していた先生に「いろいろな音楽をやってみるのもいいと思うよ」と言われた事が、私の音楽人生に大きな影響を与えてくれたと感謝をしています。先生にとっては何気ない一言だったのかもしれませんが、たくさんの音楽に触れることで表現力も高まり、何よりもそれぞれのジャンルの音楽に大きな魅力があることに気づいていきました。当時はあまり感じなかったのですが、大人になると、そのすべての音楽は必ずどこかで他のジャンルと繋がっている事を感じました。

 これは、人と人との関係にも言えることだと思います。限られた人との付き合いだけでは、自分の「見方」も固まったものになってしまいます。ですが、少し幅を広げてみると、全然違う所から今の自分の悩みを解決するための「大きなヒント」をもらえることもあります。そして、音楽を聴いて「その感想は間違っている」ということもありません。音楽の「構造上の解釈」は間違うこともありますが、自分が感じたことをきちんとした根拠を示して説明できていれば、間違いはありません。なぜなら、それが人間だからです。私が授業で大切にしていることは、「自分が感じたことを、少しだけ伝え方を考えて相手に伝えること」です。少しだけ伝え方を考えないと、自分が感じていることと真逆の事が相手に伝わることがあります。つまり、言葉を大切にしてほしいのです。言語感覚を身につければ、自分の想いが相手に伝わりやすくなり、自分の内面もより磨かれていくものだと思っています。ですから、間違いを恐れずに自分が感じたことを伝えてきてほしいです。私も皆さんからたくさんの考えを聞かせてもらって、多くの事を学んでいきたいと思っています。一緒に芸術を楽しんでいきましょう


教え合う授業
〜「反転授業」を用いて〜

 「ラーニングピラミッド」とは、どのような学習方法がしっかり頭に残るかを分類してピラミッド型の図にまとめたものです。7つの学習方法を学習の定着率順に並べています。本校の授業のいくつかはラーニングピラミッドにある学習の定着率の高い「議論し合うグループ」や「他者に教える」を用いています。「教え合う授業」の補助として「反転授業」を行うクラスもあります。「反転授業」は通常の「授業→復習」の流れとは逆転した「予習→授業」の形で行われる授業です。先生によってclassiや動画共有サイトに授業前に公開された「予習動画」が公開されます。それを見た生徒が、その授業についてクラスメイトとディスカッションをしたり、自分自身がより良い説明で、クラスメイトに教える授業を展開しています。

「ラーニングピラミッド」
定着率の高い学習方法を用いて、生徒の理解を深めます。

反転授業

野外学習/外来種駆除実習

 「帯広~芽室の豊かな自然を題材に環境教育を」をテーマに白樺学園高校近隣に流れている第二柏林台川で「外来種駆除実習」を行っています。外来種であるウチダザリガニを駆除し、絶滅危惧種である「ニホンザリガニ」を保護していくことの重要性をこの実習で学んでいきます。

 テレビ東京が作成する番組「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」内で、タレントのお笑い芸人ハリセンボン・箕輪はるかさんやNPO法人birthの久保田潤一さんと実習を行ったときの写真。

フィールドワーク/芽室町議会訪問

 芽室町議会と白樺学園高校との連携協定事業の一環で、『地方自治を学ぶ~議会はどんなところ?』をテーマに社会科授業のフィールドワークとして、議事堂を訪問しました。「議事堂見学・議会体験」「議会の仕組みなどの説明」をしていただきました。議長・委員長・町長・総務課長などの役割をロールプレイングしました。

ICT教育

 教育の効率化を図る各種のデジタルデバイスやプラットフォームなど「ICT教育」を積極的に導入。

電子黒板

 校内の普通教室に電子黒板とApple TVを設置。授業に合わせた静止画像や動画を配信可能です。電子黒板に提示した写真や図を拡大表示したり、直接文字や印を書き込んで説明したりすることで、従来の板書と比べて生徒の学習意欲や理解力が高まります。また、先生の説明時に生徒たちの注目を得やすくなり、集中力アップの効果も期待されます。提示した内容をすばやく拡大表示したり、動きのあるコンテンツを見せたりなど、紙や黒板ではできなかったことが可能になるため、よりアクティブな授業が展開されます。

iPadを用いた授業

 授業用iPadを45台用意しています。iPadを用いると先生から生徒へ一方的に教えるだけの授業ではなく、双方に、コミュニケーションを取りながら進める授業となり、コミュニケーション能力や表現力がアップします。iPadを使えば、先生から生徒への一方通行の授業ではなく、先生と生徒、あるいは生徒同士による双方向型の授業が実現します。

Classi

 Classiは学校ICT化を多目的にサポートする教育プラットフォームです。

①コミュニケーションツール

 学校からの連絡事項は紙媒体だけでなく、Classiにも配信されるので、下宿や寮で生活する生徒の保護者様にも、学級通信や校内文書を閲覧することができます。

②ポートフォリオ

 ポートフォリオとは、高校生活のさまざまな活動の記録をデジタル化して残すことができるシステムです。新入試制度では、学力だけでなく、高校の部活動や行事でどういった活動を行ったか、そこから何を学んだのかを評価する入試が広がる可能性があります。Classiがポートフォリオを一元管理してくれるので、新入試に対応したポートフォリオ作成を支援してくれます。

③学習動画

 中学校から高校の学習範囲まで、1,000以上の単元をカバーしています。搭載動画は約12,000本。有名講師陣のノウハウが込められた動画で、生徒の「わからない」に寄り添います。自学自習のコンテンツとしても役立ちます。

ロイロノート・スクール

 ロイロノート・スクールは、iPadなどのタブレットを使うことで子どもたちの主体性をのばす授業を作るためのツールです。

①クラス全員の考え方を共有する

 ロイロノート・スクールを使うと、先生の質問に生徒全員が一斉に答えることができます。写真のように、クラス全員の答えを一覧で表示することができます。

②学び合い

 先生と生徒のやり取りだけでなく、生徒同士で考えや意見を送り合うことができます。グループで、あるテーマについて協働学習をする際に意見や考えをやり取りできるので、そこでロイロノート・スクールの威力が発揮されます。

Microsoft 365が使える

 白樺学園高校の生徒はMicrosoft 365のアカウントを手に入れることができます。メールアドレスや1TBのクラウドストレージサービスを提供されるだけでなく、自分のパソコン、タブレットやスマートフォンでwordやexcel、PowerPointの編集もできるようになります。”One Note”を使って、自宅から先生に課題を提出したり、”Teams”を使ってリモート授業やオンライン授業を受講することもできます。

電子図書館

 本校の電子図書館は、2020年11月に開設されました。管内の高等学校としては、初の導入になったと思います。 電子図書館、電子書籍の良いところは、自分のスマートフォンやタブレットでいつでもどこでも自分の好きなタイミングで本を借りて読むことができ、モノとしての本を持ち歩く必要がないことです。読後も簡単な操作ですぐに返却できますし、その操作を忘れたとしても、貸出期間が過ぎれば自動的に返却されます。また、音声読み上げ機能を利用して、何かしながら、例えば、筋力トレーニングだとかランニング等をしながら本を「聞く」こともできます。このように、モノである本や学校にある図書館とはずいぶん違った使い方ができます。 電子図書館と、実際に学校の中にある図書館の両方を利用して、より多くの知識を身につけ、読書を通して、急速に変化していく社会で、自己実現できる力を養ってほしいです。

生徒・先生対談

秦 洋輔先生 数学科教諭(当時担任)
西田琉我さん 進学・教養コース(当時2年生)帯広大空中出身
今泉伶太さん 進学・教養コース(当時2年生)帯広緑園中出身

秦 洋輔先生
西田琉我さん
今泉伶太さん

秦先生(秦):
数学の勉強で変化があったことってある?
西田さん(西):
僕は中学生の時は本当に勉強が苦手で、高校に入ってから伸びたと思います。
秦:
なんで伸びたんだと思う?
西:
やる気の問題だと思います。中学生の時は本当にやる気がなくて…高校に入ってから頑張ろうと思いました。
秦:
勉強のやる気のスイッチが入ったきっかけはある?
西:
友だちに勉強を教えたりとか、授業中にみんなの前で教えたりとか…
秦:
そうか。伶太は?中学校と比べてどう?
今泉さん(今):
中学生の頃は、部活だけ取り組んで、全然勉強に集中できなかったんですけど、高校に入って、周りのみんなが勉強をめっちゃしてて、それでやらなきゃいけないなという感じになって、それでやり始めたのがきっかけです。一緒に勉強したりわからないことを教え合ったりしてて、そこからちょっと楽しいなって思えてきて、成績は、格段に伸びたなと思います。
秦:
伸びたなっていう実感はあるんだ?
2人:
はい
秦:
周りの勉強やっている雰囲気っていうのはどんな感じなの?
今:
琉我とか、周りの友人が授業に集中していて、そういうのを見て自分もやらなきゃなって。
秦:
そうなんだ。クラスの雰囲気とか自分の仲の良い友だちが勉強に対して前向きだったのかな?確かに、去年のクラスも勉強に対する意欲があったよね?
今:
はい。
秦:
クラス全体がそういう雰囲気になれたっていうのはどういう理由だと思う?
今:
やっぱり授業中でのグループワーク、生徒だけで教え合ったりする取り組みを通して、勉強がわかり始めて、みんなどんどんやる気になっていったんだと思っています。
秦:
なるほど。グループワークは自分の勉強のやる気にもつながってきたの?
今:
はい。 
西:
そうですね。
秦:
グループワークのどんなところが良いところだと思う?
西:
先生だけに頼るんじゃなくてみんなで教え合ったほうが、理解力も深まるし。
秦:
うん、伶太は?
今:
正直、先生にはちょっと聞きにくいとこがあって。友だち同士だと聞きやすいので、分からないところを補い合えるのがいいのかなって。
秦:
前向きにグループワークに取り組めるようになったっていうのは、今までと違いはあるのかな。
今:
中学の時には、数学に苦手意識があったんですけど、高校入ってだんだん解けるようになって楽しくなって、もっと問題に挑戦してみたいなって思うようになりました。
秦:
放課後もみんな残って勉強やってるでしょ。どうしてそれを放課後残ってやろうって思える気になったの?
西:
友だちを勉強に誘って、わからない問題を友達に聞いたりして、分かるようになったらテストも解けるかなって思ったのが始まりです。
秦:
勉強を人に教えてて、嬉しいなって思うことはある?
今:
問題を解けなくて困ってる友だちがいるときに、「あ、分かった」って言って、解いてくれたりしたときは嬉しいなって。
秦:
うれしいよねぇ。
西:
自分がわかってて、他の人に教えることによって、もっと理解度が深まって、また自分の勉強にもなるなって。
秦:
うんうん。伶太は?
今:
問題を解いて、それを友だちに教えることで、自然的に復習になってるなって思います。
秦:
わかるわかる。でもさ、中学校のとき数学苦手だったんでしょ?
西:
本当にダメでした。 
今:
めっちゃ苦手です。
秦:
すごく苦手だったんでしょ?一番最初の授業で、「数学得意な人―」って、手を挙げてもらったでしょ。「得意な人」って聞いて全く手が挙がらないし、「好きな人―」って聞いて、もう一回手挙げてもらっても、全然手挙がらなったよね。
2人:
はい。
秦:
だけど今「数学得意な人」「数学好きな人」って同じ質問されたらどう?
西:
いやぁ、もう真逆ですね。好きだし得意でもあります。
秦:
友だちから「数学を教えて」って言われたときの気持ちはどうだった?
西:
嬉しかったですね。自分でも教えることできるんだなぁって。苦手だったので…
秦:
黒板に出て説明したりもできるようになったけど、気持ちの変化はある?
今:
前は本当に、みんなの前に出て何かをするっていうのが苦手で、正直人前に出て解答を黒板に書くっていうのは嫌だった…
秦:
そうだよね、わかるわかる。
今:
でも1回やってみたら、なんか吹っ切れて…次も発表してみたい!みたいな。
秦:
1年間通して2人は成績も上がってるよね。琉我なんて、クラス2番まで上がったよね。伶太も前期と後期を比べたら10番近く順位を上げてる。2人とも平均点も10点くらい上がってるね。
西:
無茶苦茶上がってる(笑)
秦:
これからの勉強に対する目標はどんな感じ?
今:
1年トップ10以内に入れなくて、それがすっごく悔しかったんで、今年こそは入ってもっと、勉強に自信を持ちたいなって、それが目標ですね。
秦:
琉我は?
西:
俺は、上位を目指したいですけど、伶太には負けたくないです。
3人:
(笑)
秦:
いいライバル関係は大事だよね。伶太の目標は?
今:
去年も勉強はしてたんですけど、それよりももっとしないとって思ってます。みんな、ものすごい勉強量なのは知っているので。勉強量はまだまだ足りないかなって思ってます。1年の頃の倍くらいはやって、トップ10入りしたいなって…
秦:
その後の目標は?
今:
とりあえず、琉我と同じく位のレベルに…追いついて追い越します。
3人:
(笑)
西:
追い抜かせませんよ!(笑)
秦:
勉強でこういうふうに競い合うっていい傾向だなぁと思う!他の人たちもすごく頑張ってる人がいて、クラスの雰囲気も良くなっているのがわかる。さらにクラスで努力していってもらえたらなと、担任としては願っていますよ。