生徒に貴重な体験30年 理科野外実習今年も実施 

今年度も2年生全クラスを対象に理科科の野外実習が実施されています。担当の先生の一人で長きにわたり実習にかかわってきた芦澤先生に取り組みについて書いてもらいましたのでぜひお読みください。写真の提供は本OB教員で理科の野外実習の生みの親の高倉裕一さんです。(荘司)

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<以下芦澤先生の説明です>

理科科が担当する十勝の自然の歴史をバスで巡る野外実習が今年も実施されている。
現在,総合的な探究の時間の一環として実施され,30年にわたり,ほぼすべての生徒が参加してきた歴史を誇る。

幕別町富岡では170万年前の貝化石の発掘,音更町旭では100万年前に十勝東方の火山が大噴火した際に形成された火砕流堆積物を採取。
帯広市下川西では1万8千年前に恵庭火山灰(ごま塩のような砂)によって形成された砂丘跡の見学。この恵庭の大噴火後,およそ6千年間,砂漠の時代が続き400以上もの砂丘ができた。
また,恵庭の火山灰降下のさらに下部には,4万年前に噴火した支笏の火山灰が堆積しており,1万6千年間にもわたる砂漠の時代の面影を学ぶことができる。

野外実習で自然の変遷を学ぶことは,自然科学の分野だけではなく,十勝の環境,農業や土木工学の面でも重要な役割があると考えている。また,十勝は海の時代,湖や湿原の時代の後,想像を絶する火砕流を噴出した火山活動があり,その後の氷河期では恵庭と支笏の大噴火により砂漠の時代をむかえることを知る。このように本校では,災害教育の一面も意識して野外実習を展開している。

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